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    Updated On 20-09-2017
 
年金制度はもう破綻している Jan 2015

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、資産運用比率の見直しを発表した。GPIFは日本の国民年金、厚生年金の年金積立金を管理・運用している政府系金融機関(所管は厚生労働省)。運用資産約130兆円という世界最大級の年金基金だ。

これまでのGPIFの基本ポートフォリオは債券71%(国内60%、外国11%)、株式24%(国内12%、外国12%)、短期資産5%だった。つまり日本国債に偏っていたわけだが、これを35%程度に減らして国内外の株式や外国債の比率を高め、債券50%(国内35%、外国15%)、株式50%(国内25%、外国25%)の運用比率にしようというのだ。

勘違いしてはいけないのは、国民のために少しでも年金の運用効率を高めようという発想から運用比率が見直されるわけではない、ということだ。そもそも年金についてマジメに考えている政治家や役人は過去にも、そして今現在も、いないと思ったほうがいい。

今から15年ほど前、2000年くらいに、国の年金政策に関わっている御用学者と議論をしたことがあるが、当時からとんでもないことを言っていた。4%の経済成長が持続して、サラリーマンの定期昇給も年4%、少子化に歯止めがかかって出生率が2.0まで回復する――。そういう前提のうえで5%の運用利回りが確保できれば年金が回るように制度設計している、と胸を張るのだ。

1990年代の経済状況の推移や少子化の進展具合から考えて、あまりに想定が甘すぎる。これでは国民を欺くようなもので、本気で年金制度を維持するなら支給年齢を引き上げて、支給額を減らし、保険料を高くするしかない。私がこう指摘すると、そこはいじりたくないというのだ。結局、失われた20年を経た今も日本経済は低成長、もしくはマイナス成長に喘ぎ、定期昇給は昔話になった。出生率は子供2人など夢のまた夢の1.41。年金資産の実質的な運用利回りは1.7%程度だ。

前提が全部間違っているのだから、制度が成り立つわけがない。一昔前に5000万件の年金記録の記載漏れが発覚して「消えた年金記録」と大騒ぎになったが、年金制度の破綻を問われたくない役人からすれば、年金記録はもっと消えてほしいところだろう。公務員には恵まれた共済年金があるし、政治家にも手厚い議員年金がある。こちらは株式や外債の運用比率を増やすとは言っていない。下々の年金問題なんて他人事なのだ。

一方、勤労者の代表たる組合は年金問題をもっと突き上げていいはずだ。しかし総評系などは大企業の組合ばかりで、大企業は企業年金が充実している。要するに国民年金をもらう人たちを代表する組合がないのである。

本当なら国民の代表である国会議員の役回りだが、年金問題に熱心な政治家はほとんどいないから、財務省や厚生労働省の小難しい説明に簡単に誤魔化されてしまう。若い現役世代は自分が支払った保険料分の年金を将来的にもらえないのに対して、今の受給者はもらいすぎているというアンバランスも政治的には絶対に解消されない。高齢者のほうが投票率が高いから政治はどうしてもそちら側に歪み、年金問題は何も解決しない、という構造になっている。

GPIFと日銀の「連携プレー」

GPIFの運用比率見直しの背景には安倍首相の強い意向があったという。(AFLO=写真)

GPIFの運用比率の見直しにしても、年金のために善かれでやっているわけではない。GPIFが運用改革を発表した10月31日の同日、日銀の黒田東彦総裁が追加金融政策を発表した。

その一つが長期国債の買い入れを約30兆円増やすという量的緩和だ。この30兆円という数字は、GPIFが国内債券の運用比率を下げるために市場に放出する分とほぼ符合する。つまりGPIFが30兆円分の国債を売って、日銀が買い取るという相対取引になっているわけだ。

GPIFは日銀との連係プレーを否定しているが、2つの発表があった10月31日には円安が一気に進んで、東証株価は急騰した。大量の日本円が放出されて市場に出回れば円の価値は下がる。それが株式市場に流れ込んでくるという期待感で株価は上がる。

政府の経済政策がうまくいっているかどうかを、浅はかな政治家は株価で測ろうとする。GPIFの運用比率見直しの背景には安倍晋三首相の強い意向があったという。つまり、株価を上げてアベノミクスを正当化するための手段として、GPIFの年金資産は使われたのだ。しかし、安倍自民党は日本の経済構造を全くわかっていない。日本人は株を15%くらいしか持っていない。株価が上がって喜ぶ人は少ないし、景気の指標にもならない。アメリカ人は資産運用の85%が株だから、株価が上がれば景気が良くなる。こんな基本的なことも知らないで、株価が上がって景気が良くなり、所得も雇用も増える、と首相は言っている。リストラを進めて雇用を削った会社は収益が上がるので株価も上がる。つまり日本では景気や雇用と株価は逆相関、ということも十分ありうる。

さらに言えば、GPIFが外債比率を高めるのはアメリカへの配慮からだ。アメリカは経済状況が悪くなってきた中国が保有する米国債を売ることを恐れている。日本と中国は米国債の保有高世界一を争うが、「中国の代わりにおまえが買い取れ」というアメリカの要請に対する回答が、GPIFの外債比率アップなのである。

外債といっても他国の債券を手広く買うつもりはなくて、アメリカをヨイショするために我々の年金を使ってひたすら米国債を買い込む。となれば、米中関係が悪化して実際に中国が米国債を売り飛ばすような事態になれば、米国債は暴落してGPIFの資産=我々の年金は減る。国内債や日本株も大量に抱えているから、日本が世界の信認を失って国債や株価が暴落した場合も、年金は大きく目減りする。そういう事態にならないように賢くリスクヘッジしつつ、厳正中立な立場で高利回りを追い求めるのが年金ファンドの正しい姿だろう。運用を多様化するといっても、政策と外交の手段としていいように使われている御用ソブリンファンドGPIFは、その限りではない。

大前流」老後のお金サバイバル術

結論を言えば、老後の資金は自分で準備するしかない。政治家や役人が牛耳って、政策の失敗を誤魔化すために株を買い込ませたり、外債を抱え込ませる年金ファンドに虎の子を預けるのはやめたほうがいい。地雷を踏んで一発で即死する危険性がある。

国任せにしないで、年金は自衛すべきというのが私からのアドバイスだ。「年金は社会保障」と決めつけて公的年金制度に依存するリスクは、日本の債務状況と人口減時代の進行を考えれば、今後、確実に高まってくる。

アメリカ最大の年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)や、シンガポールの政府投資公社(GIC)、ノルウェーの政府年金基金(グローバル)など、厳正中立な運用で長期にわたって安定したパフォーマンスを上げている年金ファンドが世界にはある。たとえばオンタリオ州などカナダの州政府が持っている年金ファンドは地道な投資研究で高利回りを堅持していて、インセンティブシステムが強すぎるアメリカのファンドよりもはるかに信頼できる。

そうしたファンドに分散して運用を任せられれば一番いいのだが、日本人の年金は預かってもらえない。今のところ、日本で集めた資金をまとめて海外の年金ファンドに預ける商売をしている金融機関もない。ただし、大概のファンドは運用状況を公開しているので、追いかけて投資しようと思えば日本の機関投資家にもできないことはない。

国債暴落→財政破綻→ハイパーインフレのような究極のディザスターが起こった場合、たとえ年金がもらえたとしても意味がない。月額20万円もらえたとしても、円の価値が10分の1に暴落していれば、今の2万円にしかならない。ロシアなどの例から見てもハイパーインフレが起きた国では年金受給者が一番先に地獄を見るのだ。貯金も10分の1になるから、これも役に立たない。

年金や貯金があるから安心、という発想では絶対に生き残れない時代に日本は突入していく。「そうではないもの」に資産をシフトしていかなければならない。たとえばキャッシュを生み出す収益性の高い土地や生活必需品関連の株などは国債が暴落しても、それほど価値が下がらない。それから外貨。本当は何があってもひっくり返らない国の外貨がいいのだが、そんな国はないので、なるべく資源国で財政規律のいい国の通貨を選ぶ。

米ドルとユーロをベースにして、カナダドルや豪ドル、ノルウェーのクローネなど、自分で将来性があると見立てた途上国を含めて5種類ぐらいに配分して外貨預金をするのがベストだ。ゼロから始めるなら、給料の半分を外貨預金に充てるくらいの気持ちでなければ間に合わない。

一方で、自分自身への投資も怠らない。どんな時代でも、どんな場所でも稼げるスキルを身に付けることがハイパーインフレ下における究極のサバイバル術なのである。

 
 
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